大統領選、投資と経験
経験とは、得ようとしたものが得られなかった時に得られるものであるそうだ。良い言葉だと思う。
成功せず、失敗もせずに失えば、それは単なる喪失であり、消耗である。失敗は避けられないとしても、失敗の度に何かを得たいものだ。
では、これを投資に置き換えた場合に、経験を得るために必要な手順はどうなるか?
①考えて狙いを持ち、投資をすること(きちんと得ようとし)
②残念ながら失敗すること(得られず)
③失敗を自覚して原因を考えること(それを今後に活かすこと)
これができている限りは失敗しても問題はないし、長期的な成功は約束されているに等しい。私はまさにこの手順で上手くなってきたし、それはこれからも変えてはならない。
さて、大統領選である。反省点はいくつもあるが、とても書ききれないので2つだけ。
1つ目。私は大統領選当日に、下落するマーケットを横目に、ちらりと考えはしたのだ。そもそもどうしてトランプ氏が選挙に勝つと、株価が下がることになるんだったかな、と。その時点でさらに深く考えることができていれば、棚ぼたの利益を確定させたあとに残った半分のポジションは、もっと良い結果を生んでいただろう。思考停止した私は、程なくこれを損切りしなければならなくなったのだから。
2つ目。ダウをロングした時点で、自分の見通しが全く変わってしまっていることに気がつくべきだった。金を買ったままダウをロングするのでは、今の私の物の考え方からすると明らかに筋が通らない。最終的には金をショートするところにまでは至ったのだが、判断が遅かった。そして判断が遅れた大きな理由は、既存のポジションへの執着である。
反省を終えたら予測に戻ろう。大きな変化は大きなチャンスである。
金のショート(ほんとうの終わり)
やはりすべてのポジションを閉じることにした。銀が7%も下げている。何も考えられないが、いくらなんでもひどすぎる。
何かをするなら、来週やればよいのだ。
金のショート(終わり)
久しぶりに長時間のトレードをした。ショートポジションの3/4を閉じて終了する。
先日の判断ミス(思考停止して大統領選直後にポジションの半分しか閉じなかった)の借りを返した格好になった。嬉しいがとても疲れた。
今週の反省は後日にしよう。
あと1bpというところで、決定的な瞬間を逃してしまった。巨大なポジションを抱えたまま、私はどうしてこんなことをしていたのか?多分とても疲れていたのだろう。
金のショート
1,250ドルを割ったので金をショートした。まさか2016年にこんな日が来ようとは。
ダウ平均ロング
半分ほど決済済みだった米国株のショートを買い持ちにした。金のポジションをどうすべきか迷っていたのだが、貴金属の動向は別にして米国株は買って良い状況になったのではないか。状況が大きく変化した可能性があるのだから、きちんと考えなければ。
幸運であること
昨日時点の私のポジションは、金の買い、プラチナの買い、ドル売り円買い、ドル売りポンド買い、日経平均売り、ダウ平均売りというものだった。トランプ氏が優勢となった時点でポジションの概ね25%を決済し、確定的となった時点でさらに25%を決済した。投資額に比較するならば、たった1日で大勝であると言って良いだろう。
もっとも、この結果を予測したわけではないから、投資家として胸をはれる結果ということでもない。私は米国の大統領が誰になりそうか、一度も言及しなかった。私には政治のことは分からないのだ。ただ単純に選挙というものを無視してポジションを取った結果としての損益であった。
運良く利益を手にできることもあれば、運悪く損失を被ることもある。あてずっぽうでやるのでないならば、投資において大切なのは、結果ではないのだ。
売却した分は、近いうちに買い戻さなければならない。今回のイレギュラーな出来事についても、少しくらいは考えなければならないだろう。いずれにしても、相変わらず投資は面白い。