グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

米国のインフレと円高ドル安

米国の実質金利は、インフレ率の上昇により低下している。

4月下旬から始まった円高ドル安の動きは、日銀の金融政策が維持されたことによるものであり、円側の要因による値動きだった。しかし、今日の円高ドル安は米国側の要因で生じている。

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米国側の要因とは、期待インフレ率の上昇である。国債の利回りから逆算した数値(BEI)で確認しよう。

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結果として、実質金利は急低下している(数値計算上の因果関係は逆であるが)。

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つまりは米国の利上げが物価の上昇に追いついていない、ということである。円高ドル安のトレンドは、この物価と金利をめぐる状況が変化しないかぎりは変わらないはずである。

日本側の状況は当面変化するとは思えない。日銀には追加緩和する手段の用意がないし、物価の低下が状況を1日ごとに悪くする。

米国側はどうか。長期金利が固定的だと仮定して実質金利から単純に計算すると、2014~2015年の円安ドル高の水準に相場が維持されるには、短期間に2回の利上げが必要(実質金利0.1→0.6)である。無理に決まっている。

それであれば円高ドル安トレンドは継続し、金の上昇も続くだろう。そして私はポジションを変更する必要が無い。