グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

ドルの上昇、金の下落、ダウの下落

ドルは上昇し、金は下落し、ダウは下落している。勝ちを宣言するにはあまりにも早すぎるが、今のところ私の短中期的な見通しに沿った状況になっている。預言者にでもなった気分だが、運8割、実力2割といったところが実際だろう。とはいえ、投資をしていて楽しい瞬間ではある。

ショートしている米国株はそのままにしておき、売り払った金もそのままにしておこう。向こう2週間くらいは、値動きにかかわらずポジションを変更する必要はなさそうだ。

 

さて、今回の値動きの原因は、周知の通り利上げ観測の急激な高まりによるものだ。

そして、利上げ観測の急激な高まりの発端は、マーケットの政策金利の見通しが楽観的に過ぎたことを示すFOMCの議事録が公開されたことによる。

もちろん、議事録の公開と同時期に、好調な米国経済指標と上昇を示すインフレ指標が公開されたことも大きな要因である。好調な経済とインフレ率の上昇は、今日の中央銀行が利上げの根拠とするただ2つの要因である。

 

考えなければならないのは、なぜFedが急激に利上げ方向に向かってしまったのか、ということである。表面的な理由は議事録の通りだが、実際はインフレ率の高まりを恐れてのことだ、というのが、以下の記事を目にして以来言及してきた個人的な解釈である。記事のタイトルとは裏腹に、イエレン議長はインフレを恐れているようにしか見えなかった。

さらに言えば、この程度の経済成長率であればインフレ率はもっと低くなければならず、このインフレ率なのであればもっと経済成長率は高くなければならないはずだった、というのがFedの本音であり、利上げを開始した時点の想定であったのだと私は考えている。そして、インフレと経済をめぐるこの傾向が継続するのであれば、Fedはやがて経済成長の問題よりもインフレの問題について、真剣に着手することになる。つまり、株式市場を見殺しにしてでも債券市場を救うことになるはずだ。でも、それは起こるとしてもまだずっと先の話である。この見通しは、長期停滞論者とも、それを否定する者とも、違う見解である。でも、どれだけ孤独な見通しであったとしても、その可能性はゼロではないと私は思う。だったらそのように投資するしかない。

 

米国経済の好調が維持されることは少々想定外であった。こちらも考えなければならないことだが、諸事情があってここのところ落ち着いて考える時間を持てていないので、これといった見解も持てていない。

米国株の値動きについても好奇心が湧く。定量的な分析は行っていないが、ここのところのアメリカ株式市場においては、利上げ観測と経済の上昇が交錯した状況では、株価は上下しながらも概ね横ばいの反応を示していた印象がある。でも今回は単に下落している。だとすれば、私の直感は当たっているのだろうか?

そうであればよいのだが、まだ分からない。

 

いずれにしても、マーケットは状況を消化しきっていないように見えるし、しばらく時間的な猶予はありそうだ。ここのところ落ち着いて考える時間が持てていないが、時間を作って考える必要があるだろう。