グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

貿易戦争は有用、勝つのも簡単

率直に言って、極めて危険な思想である。

jp.reuters.com

 

国際貿易がどのように世界の利益に貢献しているのかを論理的に理解するには、マクロ経済学の基礎的な理解が必須である。しかし、経済学の素養がない人を納得させるための簡単な説明は可能かもしれない。つまり、交換は互いに得をするからこそ成立するのだ、といった風に。

 

たとえば、千葉県民と神奈川県民の間で取引をしてはならない、というルールが制定されたとして、いったい誰が得をするというのだろうか?たとえ、それまで一方的に千葉県が神奈川県にピーナッツを輸出している関係であったとしても、である。神奈川県のピーナッツ農家(実在するんだろうか?)が唯一得をすることにはなるが、2県全体としては損をすることになる。神奈川県民は欲しくもないものを買わされ、千葉県のピーナッツ農家は本来売れるはずのものを売れなくなる。保護主義的貿易戦争に、勝者などいない。

 

そもそも、基軸通貨発行国としてのメリットを享受しつつ貿易赤字を無くすことはほとんど不可能である。アメリカの大統領はできないことをしようとしている。これは本当にろくでもない話である。