グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

コロナの中の世界

目論見通り、きわめてスムーズに減産調整は終了した。アメリカは何も差し出す必要がなかった。

www.bloomberg.co.jp

 

原油価格は22ドルから25ドルに上昇し、その後22ドルに戻り、今は23ドルだ。3月に株価が底値付近にあった当初、協調減産が報じられた時には、原油は22ドルから28ドルに跳ね上がった。そんな期待に溢れる減産調整が実現してもこの有り様である。

減産調整は、何も解決しなかった。これが現実だ。

原油価格は供給過剰というフィクションの上に成り立っていたということだし、問題の本質は需要不足ということでもある。原油の20ドル割れも現実味を帯びてきたように思う。歴史的にも、コンタンゴは簡単には解消されないようだ。

大した金額ではないが、原油のポジションはまたも頂点付近で決済することができた。ショートが遅れたが、こちらも今現在は利益が出ている。これも大した金額ではない。

株式のショートも利益が出て決済した。大した金額ではない。

頻繁なトレードを再開したのは3月後半だったが、証券会社からは月間取引額77百万米ドルに応じたキャッシュバックがあった。そんなキャンペーンがあるとは知らず、寝る間を惜しんで取引した結果だ。取引額のことは気にしたことがなかったが、おそらく過去最大だと思う。もちろん、自己資金を山ほど回転させた結果だから、取引額に比べれば利益はとても小さい。 

確信は持てないが、今の見立ては「マーケットは基本的に楽観し過ぎている」というものだ。冷静に考えると、マーケットが過小評価しているのは紫外線がウイルスに与える影響くらいのような気がする。スペイン風邪のような例外はあるが、夏になればウイルスの増殖が弱まるというのはまっとうな話なのに、まったく耳にしない。

金価格は脱出速度を超えて、宇宙へと旅立っていった。中国の感染者数は、不気味な増加を続けている。日本のピークはまだ先だ。最貧国にコロナウィルスの検査キットはあるのだろうか。経済よりも人命を尊重する余裕はあるのだろうか。ないに違いない。

売り上げを失い、人件費を垂れ流す企業の何割が倒産するだろうか。ドル高の直撃を受けた新興国の経済は、どれほどのダメージを受けているのだろうか。ハードデータはまだない。FEDはモラルを捨てて全員を救うと宣言したが、全員を救うことと誰も救わないことに、どれほどの違いがあるのだろうか。

世界はどうなってしまうのだろうか?