グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

東芝とオリンパスの比較

マーケットについてマクロ的な観点から書くべきことは、まだ見つからない。

 

代わりに東芝について書く。

jp.reuters.com

ニュースを目にした瞬間にチャンスだと感じて調べてみたのだが、東芝オリンパスと同じだと考えて投資をするのは危険である、というのが、調査開始3分で下した私の結論である。

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ジャンケンと投資の必勝法に関する考察

ジャンケンに勝つ可能性は三分の一、引き分ける可能性は三分の一、負ける可能性は三分の一である。このように考える時点で、ジャンケンに勝つことはできない。多分投資でも。何故か?

 

一から考える必要がある。どうしてジャンケンに勝つ可能性は三分の一なのだろうか?それは、ジャンケンにはグー、チョキ、パーの3手があり、それぞれの手が出される可能性は三分の一だからである。あなたの出す手は三通り、私の出す手は三通り。掛け合わせて都合9通りの可能性があり、結果も均等に3通りになる。だから、勝つ可能性は三分の一、引き分ける可能性は三分の一、負ける可能性は三分の一だ。これで絶対に間違いない。だから、必勝法など存在しない。ダウト。

 

よく考えてみるべきだ。本当によく考えてみるべきなのだ。

はっきり言って、ジャンケンに勝つ可能性が三分の一だというのは絶対に嘘だ。人間に3つの手をランダムに出すことなどできないからだ。人間は機械ではない。ランダムに手を選ぶことなどできない。偏るのだ。特に、ジャンケンが確率のゲームだと誤解している場合には。

 

今度は逆に考えてみよう。ジャンケンの勝ち負けが確率によって決まると信じる人間は、どんな手を出すだろうか?簡単だ。グーかパーである。そうでしょう?
そしてそれは、あなたが過去にジャンケンで出し続けてきた手でもある。絶対に偏るのだ。

ジャンケンは確率のゲームだから、何を出しても結果は同じかもしれないし、チョキをだすのは面倒かもしれない。でも、だからこそ少し考え直したほうが良いかもしれない。そこには重大な見落としがあるかもしれないからだ。

 

ジャンケンでパーを出せば、勝率は三分の一を大幅に超える。私は実際に試したからよく分かる。

 

ジャンケンに勝つ方法にしても投資で勝つ方法にしても、何かを上手くやる方法は常に同じだ。これは自分への戒めでもある。常識にも他人にも惑わされずに、全力を尽くしてよく考えることである。

ドラッケンミラーの凄さ、もはや人間ではないジョージ・ソロス

ドラッケンミラー氏の凄さを実感したので何かを書き残したい。

私はジョージ・ソロスのような投資をしてみたいと常々思ってきたので、彼の「後継者」であったドラッケンミラー氏についても凄腕の(考えようによってはソロス氏を超えるほど凄腕の)人物であると思っていた。しかし、ソロス氏にしてもドラッケンミラー氏にしても、私の知っている伝説的な投資というのは、書籍で読み知ったものでしかなかった。

今回は初めて同時代的にその凄さを体験できた。良い経験になった。

ブルームバーグに次の記事が掲載されていた。

www.bloomberg.co.jp

これは本当に見事な判断力であると思う。正確にしてあまりにも早い。

マクロ系ファンドマネージャーの多くが、いわゆる趨勢的停滞論(長期停滞論)に沿った投資を行っていることについては聞き覚えがあった。積み上がった債務と需要不足により、景気が恒常的に下落するという説である。そして、下落する景気に応じて金融緩和策が採られれば、マネーの価値も低下することになる。マネーの価値が低下すれば、相対的に金の価値は上昇する。

ドラッケンミラー氏が金をロングしていたとは知らなかったが、金を買っていたということは、ドラッケンミラー氏も多くのファンドマネージャーと同様の見解であったのだと推察する。

ちなみに私は停滞論については半信半疑だ。需要不足の原因が、人口の低下とテクノロジーの進歩による物価の低下圧力であるというのでは、説得力に欠けると感じていたからだ。アメリカの人口は減少してはいないし、人類が石槍を片手にマンモスを追いかける生活に戻った方が世の中が良くなるとも思えない。産業革命時には、(金本位制の有無という大きな違いはあれど)物価の低下と景気の上昇は同時に観測されていた。

もしトランプ氏が当選していなかったら世の中が長期的な停滞に陥っていたのかどうかに興味はあるが、それはそれとして問題は、ドラッケンミラー氏がおそらく停滞論を信じていたという点である。

停滞論を信じていなかった私が金に対する楽観的な見通しを転じるのに丸1日以上を要したのに対し、停滞論を信じていたドラッケンミラー氏が見通しを転じたのは恐らく金の値動きが転じて数時間、あるいは転じてからすぐ、もしかすると値動きが転じる前であった、ということになる。これは本当に凄いことである。とても及ばない。

とはいえ、最終的には私も同じ判断に至ったのだ。僅かな差が致命的な差になるにしても(打率二割七分のバッターと三割二分のバッターの僅かで致命的な差と同じことだ)、今回はその点については良しとしたい。

と思っていたところだったが、次の記事を発見した。

www.bloomberg.co.jp

率直に言って、予言者レベルの手腕である。ウィザードなどという言葉では全然足りない。凄いの一言である。やはりソロスは凄い。

金のショート、プラチナのロング

金を売りプラチナを買った。金価格がどうなったとしても、金とプラチナの価格差には影響はなく、むしろこれまで以上に価格差は詰まるという読みである。

貴金属に関するポジションを維持することで、貴金属の値動きに意識を割き続けることができるというメリットもある。どうなるか。