グローバルマクロ投資にうってつけの日

株、債券、金利、通貨、コモディティに関する投資メモ

増々変化するドル円相場の相関関係、投資してから考えること

ここ数回のエントリーでは、ドル円相場と日経平均との相関関係の変化について述べた。今回はドル円相場と金利との相関関係の変化について、整理されていなくとも思考を残したい。

 

直近90日のドル円相場と日米10年物国債金利差との相関関係は0.9を超えている。しかし、直近30日では0.9を下回っている。

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ドル円相場と金利差との関係性を見る場合には、2年もの国債金利差を見るのがセオリーとされている(らしい)が、私は基本的に10年物国債金利差に注目してきた。だから、過去180日でみた場合でも相関関係は0.9を超えている(0.95に近いのではないか?)であろう事は感覚的に分かる。

 

仮に、ドル円相場の水準が名目10年固定金利差-インフレ率の差で計算した実質金利で決定されるとした場合、過去半年は日米のインフレ率の差がなかったか(米インフレ率2%、日インフレ率ゼロ%なのでありえない)、ドル円相場の水準がインフレ率の差を無視していたかのどちらかということになる。私はドル円相場の水準がインフレ率の差を無視していたのだと考えてきた。

そして、上記の仮定と、ドル円相場のプライシングを尊重するのであれば、次のような理由が考えられる。

 

ドル円相場は、名目10年固定金利差の拡大を予想している

⇛米国の利上げ予想と整合的である(私は利上げがあれば早晩アメリカの景気は腰折れすると考えてきたので、これはひとまず却下しよう)

⇛又は、日本の長期金利上昇が短期的なものであることを暗示している(なさそうである。最近述べたとおり、イールドカーブのスティープ化はまだ続くか維持されると思う)

ドル円相場は、インフレ率の差の縮小を予想している

⇛米国のインフレ率が低下傾向にあることを暗示している(私にとっては盲点だが、長期停滞論者にとっては意を得たところだろう)

⇛又は、日本のインフレ率が上昇傾向にあることを暗示している(財政支出の増加と整合的である)

 

①はどちらもなさそうであるとするならば、残る理由は②である。そして、日本のインフレ率が上昇傾向にあるとするならば、私が過去数回でメモしてきたことと整合的な内容なので、特に考える必要はない。

考えるべきこととして残るのは、米国のインフレ率が低下傾向にあるかどうかということである。

米国のインフレ率が低下傾向にあるのであれば、大抵の場合は不景気を伴うはずである。しかしダウ平均もS&P500も史上最高値付近にある。私の不確かな思考が正しいのか、ダウ平均の値段が正しいのか。

 

1月間の休みを経てからさらに1月間が経過したが、私はまだ何にも投資できていない。休みの前には何かにつけてあれこれと閃いたのだか、今は投資行動に結びつくほどの何かが全く閃かない。こういう場合には、理由はなんでも良いからとにかく何かに投資をするのが良い。

アメリカの経済は下向きで、物価は低下傾向にあるとしよう。それであればダウ平均の値段が間違っているということになるし、私はショートすべきということになる。少額で構わないから、ダウ平均の先物のショートポジションを取ってみることにしよう。

また、私の不確かな予測通りに米国のインフレ率が低下傾向にあるかどうかをマーケットの動向から判断するには、米国の物価連動債の値動きに注目すればよいことになる。ではそうすることにしよう。